5Mar
のちに豊臣秀吉となる木下藤吉郎が最初に仕えたのは、織田家ではなく今川家の松下喜兵衛米でした。藤吉郎は経理や接待術でみるみる頭角を現し、若くして重要なポストを任されますが、それをよく思わない者たちから「公金を使い込んでいる」と噂を立てられてしまいます。苦慮した松下は「これ以上全体の和を乱すわけにはいかない」と退職金を払うから出て行くよう藤吉郎に言いました。しかし、藤吉郎は「退職金は要りません」と答え、こう続けましや。「あなたのような、能力よりも馴れ合いを重んずる人に仕えていても私の将来はありません。あなたが私を解雇するのではなく私があなたを見限るのです。組織の中にあったとしても、周囲に振り回されるのではなく自分の手綱は自分で握りましょう。