5May
5月の第2日曜日は母の日! カーネーションにケーキやアクセサリーなど、日頃の感謝の心を込めて、プレゼントの準備をされている方も多いのでは?
プレゼントももちろん大切ですが、“母の深い愛”を描いた感動映画を鑑賞してみるのもおススメです。
今 回ご紹介する映画は、いずれも評価の高い作品ばかり。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』では主演のビョークがカンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を、 『ボルベール〈帰郷〉』も主演のペネロペ・クルスが同じくカンヌのパルムドールを、『オール・アバウト・マイマザー』ではアカデミー賞外国映画賞、カンヌ 国際映画祭監督賞を受賞。
ここにあげた例以外にも、それぞれたくさんの名誉ある賞を受賞しています。
■子供のために命がけで生きたひとりの女性の物語 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
ショッキングなシーンが多く、賛否両論を巻き起こした『ダンサー・イン・ザ・ ダーク』は、『奇跡の海』のラース・フォン・トリアー監督による作品です。『奇跡の海』もそうですが、この監督の作品は主人公の女性に対してほんとうに容 赦がない……。しかし、その分、“嘘”や“キレイごと”がなく、“女性の強さ”が強調されている気もします。
アイスランドの歌手のビョークが女手ひとつでひとり息子を子育てする貧しい女性を熱演。ミュージカル映画なのですが、ビョークの素晴らしい歌声もこの映画の見どころです(サウンドトラックも好評)。
舞台は、1960年代のアメリカ。ビョーク演じる主人公のセルマは、チェコからやってきた貧しい移民。目に先天性の病気をもつ息子と二人暮らししながら、工場で毎日懸命に働いていました。
セルマが一生懸命働くのは、息子の目の手術費用を貯めるため。近いうちに目の手術を受けさせなければ、失明してしまうのです。そして、その病気は遺伝性のもので、母親であるセルマ自身もだんだん目がかすんで見えなくなっていきます……。
そこにつけ込んだ、あるゲス男が、無茶苦茶な理由でセルマのお金を窃盗。気づいたセルマは、返してほしいと迫りますが……。
衝撃のラストは、きっと涙なしでは観られないでしょう。
■出てくる男はゲスばかり……しかし母は強し! 『ボルベール〈帰郷〉』
スペインの映画監督ペドロ・アルモドバルによる『女性賛歌三部作』の三作目として製作された映画。ペネロペ・クルス主演です。
映 画の舞台は、アルモドバル監督の故郷であるスペインのラ・マンチャ。夫と一人娘パウラと3人で暮らす女性、ライムンダ(ペネロペ・クルス)は10代の頃に 母親を火事で亡くしています。ある日、亡くなったはずの母が生きているという噂を耳にします。幽霊なのか? それとも……。
一方、ライムンダの夫は、突然仕事をクビになって無職に。その上、娘のパウラに手を出そうとして、反撃したパウラに殺されてしまうという事件が発生します。
『女性賛歌』というだけあって、ストーリーはけっこう悲惨なのにも関わらず、登場する女性たちがみんな明るく魅力的。女性に対する尊敬の念が感じられる作品です。
しかし、それを強調するためか、出てくる男が揃いも揃ってみんなゲス……。いくらなんでも、ゲス率高すぎやしませんか?
「よ、世の中の男性はもうちょっとマシだと思うけどな……」と思わずフォローを入れたくなるような気もします。
というわけで、この映画を観るときのメンバーは女性だけにしたほうがよさそうです。彼氏や旦那さんと一緒に観たら、ちょっといたたまれなくなるかも。
■嫌になるくらいハードな内容なのに、明るく前向きな“強き母” 『オール・アバウト・マイ・マザー』
こちらも、ペドロ・アルモドバルによる『女性賛歌三部作』のひとつ。
スペインのマドリードで移植コーディネーターとして働くマヌエラという女性が主人公。17年前に夫と別れてからは、最愛の息子エステバンを女手ひとつで育ててきました。
ある日、エステバンから彼の父親となる夫について質問を受けますが、別れた夫に関する重大な秘密を話そうとした矢先に、エステバンは事故で亡くなってしまいます。
亡くなった息子の代わりに、彼の父親へメッセージを伝えにいこう。そう決心したマヌエラは、バルセロナを目指します。
元夫を探す過程で、マヌエラはじつにさまざまな女性たちに出会います。みな、それぞれ複雑な事情を抱えているのですが、明るくたくましく生きています。
そして、その中には、ペネロペ・クルス演じる心優しいシスター・ロサが。彼女は、HIVに感染しており、さらに妊娠もしているといいます。そして、その相手こそがマヌエラの元夫だったのです……。
こうやって、あらすじだけ文章にしてみると、かなりハードな内容なのですが、映画はなぜか明るくあたたかい。そこが、アルモドバル監督の『女性賛歌』のすごいところなのかもしれません。
以上、“海より深い母の愛”を描いた名作映画をご紹介しましたが、いかがでしょうか?
いずれも一流の映画監督に一流の俳優の組み合わせなので、観ていて安心感があります。ぜひ、お母さんと一緒に観てみてくださいね。


















