3Oct
こんにちは!宮殿求人担当の若松です
昨日は早めに家に帰り録画しておいた、チャンピオンズリーグの試合
アンデルレヒト対ボルシア・ドルトムントを観戦。
スペースを与えると、香川真司はより一層危険な存在となる。それを改めて証明するような一戦だった。
チャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ2節、アンデルレヒト戦。4-2-3-1のトップ下で先発した香川は、ドルトムント復帰後初となる CLでフル出場を果たし、全3得点に絡む活躍で3-0の勝利に貢献した。先制点をアシストし、2つの追加点の起点となった。
試合は、高い位置でのプレッシングを持ち味とするドルトムントが押しこむ形で始まった。ホームのアンデルレヒトはアグレッシブに前方へ仕掛ける姿勢を見 せつつも、ディフェンス時は自陣で守備ブロックを構築。若手主体のベルギーの名門は、この上下動を繰り返すことで攻守に厚みを持たせようとした。しかし結 果として、この策によってドルトムント、そして香川の餌食になった。
ドルトムントが突いたのは、アンデルレヒトが前掛かりになったそのタイミングだ。守備から攻撃への切り替えの瞬間を狙ったのだ。得意のハイプレスでアン デルレヒトの攻撃を高い位置で封じ、前傾姿勢になった相手にいわばカウンターパンチを浴びせる。その中心にいたのが、香川にほかならない。
象徴的だったのが、3分の先制点の場面。中盤でボールを奪うと、押し上げたアンデルレヒトのMFとDFの間にできたスペース、すなわち「ポケット」で香 川が受け、浮き球のスルーパスを出す。DFラインの背後に抜け出したFWチーロ・インモービレが、鮮やかに先制ゴールを決めた。
「シュートを打とうと思ったんですけど、チーロが見えて。一瞬の閃きというか、うまくパスを出せたなと思います」
香川は先制点の場面を振り返りながら、こうも語っている。
「今日はちょっと余裕があったというか、ボールを受けた時に視界がよく開けていた。ボールの回りが良かったので、すごく手応えを感じていました」
香川に「余裕があった」のは、このポケットでフリーになるシーンが多かったからだろう。アンデルレヒトは、序盤こそ守備的MFスティーブン・デフールが マンマーク気味に香川をケアしていたが、そうした対応も次第に散漫になっていった。チームとしてもボールへの寄せが甘く、香川には十分な時間とスペースが 与えられた。こうなると、輝きは増す。
10分にもポケットに滑り込んだ香川が、バイタルエリアからケビン・グロスクロイツにスルーパスを送ってチャンスメイク。50分にはペナルティーエリア 手前からピエール=エメリク・オーバメヤンにラストパスを通して決定機を作った。いずれも、敵の寄せがほとんどない状態でパスを出している。
「僕たちが主導権をうまく握りながら進められたゲームだった。前半の早い段階でゴールできたので、チームとして落ち着いて試合を運べたかなと。アウェーでの先制点は、選手に大きな自信を与えてくれるので、そこが一番よかったと思います」
ドルトムントの2点目は、香川が右サイドに展開したパスが起点になった。3点目も、カウンターから針に糸を通すようなスルーパスをオーバメヤンに通して生まれた。
いま一度振り返ると、香川は当たりの激しいプレミアリーグで敵の執拗なマークに苦しんだ。攻撃のタクトを振るうトップ下で出場した際はとくにそうで、相手のボランチを背負った状態では前すら向けない時もあった。
ところが、プレミアリーグに比べて相手のマークが緩いCLになると、輝きを放つことがあった。2つのゴールに絡んだ昨シーズンのグループステージ5節レ バークーゼン戦(昨年11月27日。5-0で圧勝)は、その最たる例だ。このアンデルレヒト戦の香川は、似たような形で気持よくパスを受けられていた。
しかも、ハイプレスを得意とするドルトムントのプレースタイル──高い位置でボールを奪い、相手の守備隊形が整わないところを一気に突く──が、香川の 良さをさらに引き立てた。「ゲーゲンプレッシングの申し子」とも呼ばれる香川のストロングポイントが際立った一戦と言えるだろう。
一方で、課題もあった。目に見えて運動量が落ちた後半のプレーだ。
ドルトムントのハイプレスサッカーは、多大なエネルギーと体力を必要とする。チーム全体の運動量が乏しかったマンチェスター・ユナイテッド時代と比べれば、求められる走力に雲泥の差があると言っていい。
実際、「すごく疲れた」と試合後に香川が認めたように、プレッシングやフリーラン、カウンター、チェイシングでフル稼働するドルトムントのサッカーに、香川の身体はまだ追いついていない。
「このサッカーに慣れるには、ハードワークというか、求められるところが大きいので、そういう意味ではコンディションが鍵になる」
まずは自身の身体を「ドルトムント仕様」に仕上げることが、当面の課題と言えるだろう。