29Jun
「セレブ宮殿グループ」野菜大好き鈴木です。
冬を越えて甘くなるキャベツ
4月から5月にかけて食べられるキャベツは、やわらかくてみずみずしいですね。
この時期のキャベツは、前の年の夏の終わりから秋にかけて種がまかれたものです。
ここでクイズです。
キャベツは寒い環境に耐えて育つため、どのような工夫をしているでしょうか?
1.水分を増やす
2.糖分を増やす
3.葉を厚くする
4.外側の葉の緑色を濃くする
正解は…
正解:2. 糖分を増やす
寒い環境に耐えるということは、すなわち、凍結しないということです。
それでは、なぜ、糖分を増やすと凍らずに済むのでしょうか。
純粋な水では、水の分子が互いにくっつき合いやすく、0℃で氷の塊が出来ます。
しかし、水に他の物質を溶け込ませると、その物質が水の分子がくっつき合うことを邪魔し、温度を下がっても氷の塊が出来にくくなるのです。
つまり、キャベツは糖分をたくさん蓄えることによって、低温でも葉が凍りにくくなるようにしているのです[※1]。
キャベツも賢いですね。
胃袋の味方 キャベジン
キャベツから発見された“S-メチルメチオニン”は、キャベジンという別称を持ち、胃薬としてよく知られています。
この物質は、キャベツだけでなく、ブロッコリーやカリフラワーにも多く含まれます。
S-メチルメチオニンには、胃の内側から粘液を多く分泌させて胃粘膜を守ることで、胃潰瘍や胃炎を防ぐはたらきがあります[※2]。
私たちが日ごろ、痛み止めや解熱剤として利用する薬の多くは、胃潰瘍のリスクを高めます。
消炎鎮痛剤を投与したラットの実験では、予防措置をとらなければ全例で胃潰瘍を発症したラットが、消炎鎮痛剤投与1時間前にキャベツのエキスを投与すると、93.6-96.5%のラットで胃潰瘍を予防できたということです[※3]。
胃潰瘍治療薬の予防率99.8%には及びませんが、かなり強い抗潰瘍作用があることがわかります。
なお、キャベツのS-メチルメチオニンは、糖分と異なり、夏に収穫されるもので最も濃度が高くなる傾向にあるようです [※4]。
まだ先の季節ですが、夏の胃袋にはキャベツもおすすめです。
味わい深いトスカーナ生まれの黒キャベツ
今回は、キャベツの一種、黒キャベツを紹介します。
黒キャベツは、イタリアのトスカーナ地方で生まれました。
結球しない(丸くならない)キャベツで、太い葉脈を持つ葉は細長い形をしており、表面は細かく縮れています。
濃い緑色をしていますが、えぐみはありません。
厚めで歯ごたえのある葉は、スープ(写真)や炒め物に向いています。
このスープでは、旨味成分として、かつおだし、昆布だし、鶏がらだし、チーズ(パルミジャニーノ・レッジャーノ)を使いましたが、これらとの相性も抜群です。
辛みの強いタイプのオリーブオイルをかけてお召し上がりください


















